脊髄炎と戦うトイプードルのお話

こむぎのプロフィール
トイプードル ♀ 5歳(2020年現在)
2016年5月20日生まれ カインズ大高店ペッツワンよりお迎え。
2017年5月脊髄炎発症(1回目) 原因は不明。自己免疫疾患とDr見立て。
1か月ほどで回復。前足にクッシング症候群を残すものの軽度であったことから、問題なく日常を過ごす。
2019年7月20日脊髄炎再発。本人の努力により、自力で立ち上がるレベルとなるが、3日に1回くらい程度立ち上がる様子が見られる。歩行不可。

発症

2017年5月某日21:00頃だったと思います。
楽しく遊んでいる中、急にキャンキャンと鳴いたあと倒れ痙攣を起こしました。
癲癇発作のように見え、30分ほど様子を見ましたが改善することはなく、救急で病院へ行くことにしました。
行きつけの動物病院は開いておらず、ネット検索にて「名古屋市獣医師会 名古屋夜間動物救急センター」を見つけました。
名古屋の大須にあるのですが、自宅から車で40分ほどかかります。それでも一番近い病院だったため、入電し急いで病院へ運びました。
その間も、苦しそうに痙攣を繰り返し鳴いていました。
救急病院なので、みんな救急です。優先的にというわけにはいきません。順番を待ちます。
呼ばれた時、緊張が解けたのを覚えています。
エコー検査と症状から「癲癇発作」との診断。癲癇発作を落ち着ける薬を点滴し翌日はかかりつけ病院へ行くようにと、診断書とエコー写真を渡され帰宅しました。

発症当日の夜
何度も短いスパンで起こっていた癲癇は少し落ち着き、2時間に1回くらいのペースで癲癇発作が起きました。
徹夜で付き添うも、薬もなにも持っていないので、発作のたびに抱っこし体を撫でて声をかけることしかできませんでした。
発作が来るのがわかるのか、発作の前に私を見ます。その直後、やはり発作が起きて私に縋り付いてくるような状況で、とてもつらかったです。

翌朝
かかりつけ医は9:00オープンなため、その時間までとても長く感じながら待ちました。
獣医さんに、すぐにケアしてもらえるように、伝えたいことがもれないように癲癇発作の時間や様子も記録しました。
9:00すぐに電話を入れると、「すぐに連れてきてくれ」といっていただき、泣きながら運びました。
丁寧に体を見てくださり、診断は「癲癇」症状として重篤な部類ということで入院となりましたが、不安でたまらず
先生へ「そんなにひどい状況で死ぬこともあるのであれば連れて帰りたいです。このまま、一人で病院で死なせたくない」と私自身冷静ではない状況でした。
先生から「治療して助かるなら治療をするべきだと僕は思う」と先生が真剣に何度も話してくださり、少しずつ自身が落ち着いていくのがわかりました。
家に帰れば死ぬのを待つだけになるが、入院し適切なタイミングで適切な処置をすれば助かるかもしれない
入院することにしました。

2日入院し、癲癇発作も軽減したことから退院し癲癇の薬を処方していただき(点鼻薬)退院することができました。
先生からも「何時でもいいから、様子がおかしいと思ったら電話をください」と言われ、助かったと安心しました。

癲癇じゃないかもしれない

退院後も癲癇発作は間隔こそ少なくはなっていたけれど、継続していました。
退院から2日経つと癲癇発作が増えてきたように感じはじめました。症状がひどくなることはなくても、回数が多いと思いました。2日目の朝、先生へ電話をし診てもらうことに。
発症から4日目だったと思います。
「癲癇ではないかもしれない」と先生より話がありました。
症状から神経系であるとは思うけれど、癲癇の薬が効いていないことと、頻度、癲癇発作後の様子から「癲癇ではない」可能性が出てきたとのことでした。
ただ、詳しく検査するには個人病院では限界があり、ここでは検査ができないとのことでした。
名古屋では「日本動物高度医療センター」でより詳しい検査が可能だということと、普通の獣医ではできないような高度な治療も行っていることを教えていただきました。
ただ、検査も治療も大変高額であることの説明がありました。

日本動物高度医療センターは、初診で個人で行っても診てもらえません。
高度医療を受ける意思確認と、高額である理解を街の獣医さんが行い紹介状を作成してくれて行ける病院だそうです。

先生は、高度医療センターの獣医師さんへ電話で連絡を入れ、必要な検査を確認してくださいました。
「レントゲンとMRI検査、血液検査」をすることになるそうです。
合計15万円は見ておいて欲しいと説明があり、その金額を踏まえて、受診するかどうかの意思確認がありました。
決断へ至るまでの思いは、倫理的な問題もあることから控えさせてください。

受診を決めました

日本動物高度医療センターへ行く

高額であることもあり、かかりつけ医との連携がとれており、スムーズな診察と検査がありました。
時間はかかりましたが、午前に受診して夕方にはわかりました。無駄がいっさいありません。

脊髄炎」でした。
MRI検査にて首の骨に変色した部位があり、中を開いて見るわけではないけれど明らかに炎症しているそうです。
原因は不明ですが、推測はできるそうです。
かかりつけ医のカルテから「生後3か月(お迎えしてすぐの獣医受診)から体温が平均より高めである」
今回の検査から「ウイルスや感染症は見受けられない」
過去の症例から「自己免疫疾患」が疑われるとのことでした。
ただ、これを検査し診断するには時間がかかる上に費用も大きいことからお勧めしないといわれました。
おすすめしない最大の理由は、仮に「自己免疫疾患だとしても、治療方法がない」ということです。
もうひとつ、今回幸か不幸か「脊髄炎の治療と自己免疫疾患の治療が同じ」ということです。
上記のことから、自己免疫疾患の検査治療はしないこととしました。

こむぎの脊髄炎の症状は、あまりよくない状況だったため入院。毎日お見舞いに来ることを約束し帰宅しました。
翌日お見舞いへ。明らかに改善していました。
立てないけれど立って私のところ行きたい様子です。酸素ゲージの中で体に点滴をつけている姿は涙が出そうでした。
それでも、明らかに改善がみられることから、入院はこむぎを助けるために必要なことだと理解できました。
こむぎの好きなぬいぐるみと、私の匂いがついたハンカチとおやつを置いて病院を出ました。

回復と戻ってきた日常

高度さん(日本動物高度医療センター)からは、5日ほどで退院となりました。
担当の先生から「状態も落ち着きました。薬も決まっていますので、かかりつけの病院でも対応が可能です」と退院許可をいただきました。

高度さんの担当医について
本当に尊敬できる方でした。状態を見てからの検査と診断、治療までの判断が凄まじく早いです。かといって、勝手に物事をすすめていく人でもありません。
状態の説明は、必ず手書きで書いて検査結果を横に置いて示しながら説明をしてくれました。
治療方法の提案も3つくらい書き出し、それぞれのメリットとデメリットをはっきりして、飼い主の決定を尊重してくださいました。
この「飼い主の意思を尊重する」というのは、退院するまで一貫して大切にされた印象です。
さすが高度医療センターと感服せざるを得ない状況でした。
※この先生は、もう高度医療センターにはいらっしゃいません。独立なさったようです。

自宅に戻り、静かな日常が戻りました。
治療は「ステロイド薬(プレドニン)と肝臓の薬の服薬」のみです。
その後、2週間ほどで自分で立って歩きだしました。

再発

2021年7月21日再発しました。4歳2か月。1回目の脊髄炎から2年経過したところでした。
これに関しては、前回の高度医療センターさんで「自己免疫疾患だったら治療方法がない」と言われていました。これには、「自己免疫疾患による再発もしくは、違う形での発症」が予測されました。
2度目ということと覚悟があったため、それほど慌てず落ち着いて行動できたように思います。
かかりつけ病院へ行く→日本動物高度医療センターへ行く
高度さんへ行く必要はないかもしれないと、かかりつけ医は言っていましたが、「私が納得するために行きます」と伝えました。
この納得は、「再発であり、ほかの大病ではない」と確認がしたかったです。
再発だと思っていたけど、実は違う病気だったとなったら、それこそ後悔してしまいます。

脊髄炎再発との診断でした。

前回の発症の時と同じようにお薬による治療です(ステロイド薬増量)
2回目ということもあり、前回ほどの回復はできませんでした。
クッシング症候群が強く、自力で立てないのでおむつで寝たきり生活。ご飯もお水も自分で食べれません。
全介助です。
自宅で一人でお留守番ができなくなり、職場であるお店へ連れて行くことになりました。

看板娘 こむぎ誕生です。







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