2024年1月能登半島地震で被災した街のでんき屋さんが、教えてくれたこと~災害下で生活するために~

この度の震災に際し、心よりお見舞い申し上げます。

1月1日能登半島地震が発生しました。
街のでんき屋さん仲間の中で、石川県の街のでんき屋さん仲間のことが心配されました。
LINEグループでつながっていた為、安否確認をすることができました。
災害から時間の経過とともに、石川県羽咋市の「デンキカンサカイ 坂井電機」さんのお話を聞くことができ、

若井家電サービス

坂井電機さんのお話は、災害への怖さや不安だけでなく、
多くの人にとっても助かるお話じゃないかしら。

そういった気持ちから、記事にまとめました。

※震度4~5エリアでの実体験を中心に構成されています。

この記事でわかること

・災害後、自宅で起こっていること。

・被災直後に、自宅で生活するために自分でできること。

石川県羽咋市 デンキカンサカイ 坂井電機

デンキカンサカイ 坂井電機

石川県羽咋市中央町サ48-2
TEL:0767-22-2203
営業時間:8:30~18:30
定休日:日曜、祝日

坂井電機さんの被害状況

若井家電サービス

言葉が出ません…
すごい…割れてる

坂井電機さん

店舗前が割れていました。
もっと被害が大きいところもあるんです。

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今は、どのように過ごされているんですか?
同じ自営業なので、仕事とかどうしておられるのか
心配ですし、気になります。

坂井電機さん

1月1日、地震発生直後は津波警報があって避難所に避難をしていましたが、
その日の夜、避難解除たあとは自宅に戻りました。

2日には、こんな状況ですから
お客様から修理の連絡が入り、修理に走りまわりました。
本当は正月休みだったんですけど、社長が対応していました。

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えっ!?

災害下では、お店もお客様も、同じ被害者だと思っていた私は少なからず驚きました。
このお話で、街のでんき屋さんは生活を守る仕事の一つなのだと、社会的な役割を考える機会になりました。

ポイント

震災直後でも、LINE、電話通話は可能だった。

災害時の通信確保は、国で取り組む重要な課題となっています。
実際、総務省ホームページにも取り組みが書かれていますので
興味のある方はこちらから→https://www.soumu.go.jp/main_content/000808298.pdf

今回の能登半島地震でも、通信確保のための対策が実行されていたことがわかっています。
「スターリンク」について、詳しくはこちらから→https://www.tokyo-np.co.jp/article/303963

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災害時の連絡手段はないものと思っていましたが、
今回のお話を調べてみると、国で取り組んでいることを知ることができました。
「船で携帯電話の中継基地を持って行く計画がある」という噂は聞いたことがあったのですが、
実際、能登半島地震で使われた(スターリンク)ことを知って驚きました。

※全く連絡がとれなかったという話もあります。

災害後に自宅で起こっていること

大きな災害が起きた時は、逃げることで頭がいっぱいで、身を守ることが重要です。
迷わず逃げてください。

しかし、逃げたあと、時間の経過とともに「自宅」が心配になるものです。
多くの人が、「自宅を見に行く」もしくは「帰宅する」傾向にあります。

自宅で起こっていること

・停電
・断水
・家電含む、家財の故障や破損

※震度4~5エリアの実際の状況参照

坂井電機さんの対応エリアでは、自宅に戻り生活する為原状回復に努める方が多かったようです。
原状回復のお手伝いをするうちに、街のでんき屋さんにくる依頼に特徴があることが少しずつわかってきました。

その中で、災害時に自宅から離れる際にできることを、街のでんき屋の立場からご紹介していきます。

自宅から離れる際にできること

繰り返しになってしまいますが、災害時に一番重要なことは身を守ることです。

身の回りの安全を確認後に、生活を守る対策に移行していってください。


1、水道の元栓(バルブ)を閉じる

理由

・通水した時に、水道管の破損で自宅が水浸しになっている(漏水)家がたくさんあった。
・通水後、最初の水は汚れた水が入ってくる可能性があり、水を通す給湯器が故障してしまう可能性がある。


災害後、坂井電機さんへきた実際の依頼

お客様からのご依頼坂井電機さんの対応
洗濯機に水が入らない。通水時、水道管内のさびが詰まり水が流れにくい状況だった。
詰まっていた部分(ストレーナー)を交換した。
給湯器の貯水、貯湯タンクが傾いた。傾きの改善。
断水の間エコキュートは、どうした方がいいのか?電源を切って、バルブを閉めるように指示。
給湯器やエコキュートの貯水タンクから、水の取り出し方がわからない。電話や訪問にて、取り出し方を説明。
坂井電機さん

エコキュートは災害時、水を取り出せるという大きなメリットがあります。
お客様から、水の取り出し方の問い合わせが多くあり、
事前にわかるようにしておけば良かったと思いました。

可能でしたら、実際に、エコキュートから水を取り出してみるといいかもしれません。

若井家電サービス

このお話を伺い、若井家電でエコキュートをご購入くださっていたお客様にお電話しました。
やはり、水の取り出し方を知らないとおっしゃっていました。
エコキュートの点検とあわせて、水の取り出し方の説明に行く予定になっています。

若井家電でエコキュートを販売する際には、
・通常時の使い方
・メンテナンス方法
・災害時や緊急時の水の取り出し方
の説明をしています。

お客様

いろいろいっぺんに言われても、
覚えられないよ。

お客様の声から、販売から半年くらいで「メンテナンス」と「非常時の使い方」を説明するため訪問することにしました。

バルブはどこにあるの?

【戸建てのケース】

土地内の地面にあることが多い。主に駐車場。
ボックス内にあります

【マンションのケース】

各部屋の玄関付近にあり「パイプスペース」「パイプシャフト」と呼ばれている空間にあります。
※アパートは、戸建てと同様、地面にある場合もあります。

一度、場所の確認をすることをおすすめします。

坂井電機さん

バルブの解放時に、自宅で水を使っていないのにパイロット(水道メーター)がクルクル回っていたら、
自宅のどこかで水漏れ(漏水)している可能性があります。

2,電気、ブレーカーを落とす

理由

通電された時、発火して火災が起きないようにするためです。

通電発火は、地震等の自然災害の影響により、停電から電気が復旧することによって発生する火災のことです。

通電発火について詳しくはこちらから
https://www.city.kawasaki.jp/840/cmsfiles/contents/0000111/111444/tudenkasai.pdf

石川県輪島市「朝市通り」の火災

通電発火が原因の可能性
詳しくはこちらから→https://www3.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/20240215/3020019073.html

災害後、坂井電機さんにきた実際の依頼

お客様からのご依頼坂井電機さんの対応
TVが落ちて壊れた。転倒防止を設置した。
照明器具が壊れた。ペンダントタイプは、照明器具が揺れて壊れる可能性があるため。シーリングタイプの照明器具を取り付けた。
エアコン室外機の転倒や転落。程度により、修理と買換。
坂井電機さん

坂井家電で対応したお客様で、通電発火は見られませんでした。

若井家電サービス

能登半島地震を調べると、石川県全体に通電発火の注意喚起が行われた記事がたくさん出てきました。
私は、そこまで気が回らなかったので、怖さを感じました。

まとめ

でんき屋をしていると、家電が生活を維持していると感じることが度々あります。
なければ無いで生活できるとは思うのですが、エアコンなど空間の温度をコントロールする家電などは命にかかわる場合もあります。

現代において、電力の供給と家電の維持は重要度が高いと思うのです。

災害は、発生から復興までの期間も長く長期戦です。
災害下で、少しでも長く体と心を守る為、家電を維持する工夫を知り、災害の備えの1つになると良いなと思いました。

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