なくならないコンセント発火
コンセント発火による修理依頼は毎年10件前後あります。しかし、2023年秋より修理依頼の件数が増加しており、その理由を電気工事士に聞いてみました。
コンセント発火の原因や対策をまとめ、記事にした理由もご紹介します。
この記事でわかること
・コンセント発火の原因と傾向
・コンセント発火増加の理由
・対策
コンセント発火は増加している?
ずっと昔からコンセント発火はあることです。
毎年、私だけでも7~8件修理してるかな。
しかし、2023年秋口から2024年春までの半年で、すでに7件となっております。
2023年10月~12月 | 3件 |
2024年1月~3月 | 4件 |
これからもっと増えると思うよ。
え?
どうしてですか?
古い家が増えてるし、家で使う家電品の種類も数もドンドン増えてるからね。
コンセント発火の原因
コンセントの老朽化(劣化)と過負荷が原因です
コンセントの老朽化
テレビなんかでホコリで発火する話はよく見るけど、
実際には、コンセントの中の部品が燃えてる方が多いよ。
内部発火から外のホコリに引火する可能性はあるけどね。
へ~!意外!
発火したコンセントで使ってる家電を見ると、消費電力の多い家電が多い。
新しいコンセントだと耐えれるけど、古いコンセントは使う電力に耐えきれなくなっちゃったんだろうな。
大手のコンセントメーカーは、コンセントは消耗品で寿命は10年と定めています。
実際に10年でコンセント交換をする人はあまりいませんので、結果的に老朽化による発火が起こってしまいます。
過負荷
「過負荷」とは、負荷が過剰にかかった状態です。
コンセントは1500wまで耐えることができますが、家電の消費電力1500w以下だから大丈夫というわけではありません。
たまにあるんだけど、髪の長い人がドライヤーで髪を乾かすのに時間かかるでしょう。
20分とか。
新しいドライヤーでも1200wあるから、それを20分も30分も使い続けるとコンセントに負担がかかるよ。
実際、ドライヤーを使用中にコンセントが発火し、修理依頼がきたこともあります。
エアコンも省エネといっても、冷房なんか1日中付けっぱなしでしょ。
消費電力800w前後(多いと1000w超える)ずっと付けてると、コンセントも劣化するよ。
傾向
当店の電気工事士や電気屋仲間に聞くと、コンセント発火をしているのには傾向があると話します。
・古い家でよく見られる。
・消費電力が多い家電を使う場所。キッチンでのコンセント発火が多い。
エアコンも多いね。
消費電力の多い家電品を教えて欲しいです。
エアコン
電子レンジ
炊飯器
湯沸かしポット
ホットプレート
ドライヤー
熱を持つものとか、熱くなる家電は消費電力が多いと覚えておくといいですよ。
コンセント発火で火事にならない為の具体的対策
家の材料を不燃素材にすることもいいのですが、最も重要なことは「火を出さない」ことです。
東京消防庁では令和3年度の出火原因に、コンセントからの出火が86件あったと発表しています。
東京消防庁サイトはこちらから→https://00m.in/kacSS
火事を防止するために、コンセントが発火しないようにする対策をご紹介します。
1,古いコンセントを交換する
大手のコンセントメーカーは、コンセントは消耗品で寿命は10年と定めています。
現在問題なく使えるかもしれませんが、コンセントを交換しましょう。
しかし、10年で交換する人は…あまりいらっしゃらないのが現実です。
あんまり無責任なこと言えないんだけど
俺は、20年過ぎてると交換した方が良いよって言ってるかな。
うちの実家、築43年だけど
全部変えるお金ない。
じゃあ、コンセントを指すときにゆるかったら
交換して。
そこまでいっちゃうと、もう限界だからね。
2,消費電力の高い家電を頻繁に使用するコンセントだけでも交換する
家庭内にある消費電力の高い家電
エアコン
電子レンジ
炊飯器
湯沸かしポット
ホットプレート
ドライヤー
髪を巻くコテ
など
これに限らず、家電の購入時に消費電力の確認はしておくといいかもしれません。
熱を発する家電は、消費電力が高い傾向にあります。
キッチンや洗面台のコンセントは、10年を目安に交換しておくといいです。
見えるところは異常がなくても、コンセントを外してみると内部が焦げていることがあります。
3,1カ所のコンセントで、複数の家電を同時使用しない
一般家庭で使用されている電材のお話です。
コンセント1つは1500wまで使えるのですが、コンセントに電気を送る電線は1700wまでなんです。
2連コンセント、3連コンセントがよく見られるのですが、
1つの差し込み口で1500wまで使えるからと、1口でドライヤー。もう1口でカーラーなど、消費電力の高い家電の2つ使いなどはおすすめできません。
新築から何年かは大丈夫でも、コンセントや電線の劣化が早くなります。
今年、築2年の戸建てだったけど、壁の中で電線が溶けて団子になってたよ。
キッチンで、電子レンジと湯沸かしポットを使ってたコンセントだったね。
3,タンスやテレビ台の後ろに隠れた使用中のコンセントの掃除をする
コンセントの劣化や過負荷の次に多いコンセント発火原因に「コンセントに付着したほこり」があります。
冷蔵庫や洗濯機を設置すると、コンセントは大型家電の後ろになることが多くなかなか掃除できないのが現実です。
大型家具や大型家電は、自力で移動させることが難しく、家電の買換や修理の時くらいしか掃除のチャンスはありません。
ですが、火事になることを考えると年に1回大掃除など、掃除の機会を作るといいでしょう。
まとめ
コンセントが火元になる火事は、全国でも年々増加しており「電気火災」という名称もついています。
増加の最大の理由は、器具の老朽化・劣化や間違った使用によるところも事実ですが、
みんな忙しいで、コンセントまで考える人のほうが珍しいじゃないかな。
でも、お客さんの家が火事になっても嫌だし。
何よりけがとか、命に関わることになったりしたらと思うと心配にはなるよ。
春~夏にかけては、熱を持つ家電の使用は減ります。
だから安心ということではなく、冬に向けて少しずつ電気火災を防ぐための準備や使い方の見直しをしていってはいかがでしょうか。