石綿(アスベスト)対策を徹底!でんき屋としての安全管理と取り組み
2023年10月より石綿に関する法改正があり、街のでんき屋さんでも対策を求められるようになりました。
大型家電量販店でも対策を打ち出しており、徐々に身近になっていると感じます。
しかし、対策の負担はお店側だけでなくお客様にもかかるため、お客様にできるだけわかりやすい形でお伝えしたくて記事を作成しました!
目次~この記事でわかること~
1,石綿(アスベスト)とは?
・でんき屋の分野での使用例
2,でんき屋でも石綿対策しないといけないの?
3,でんき屋は、具体的に何をするの?
・事前調査
・石綿対策
・石綿対策を取り入れた工事の流れ
4,実際に、お客様の負担になることと準備
5,当店に「石綿作業主任者」「石綿含有建材調査者」の有資格者がいます。
1,石綿とは?
昔は「アスベスト」と言われることの方が多かったみたいですね。
今は「石綿」と言われることが多いようです。
石綿(アスベスト)の特徴
天然に存在する繊維状の鉱物のこと(鉱物:石を構成している物質)
耐熱性、耐久性、耐薬品性、絶縁性と優れていたため、建築資材、電気製品、自動車など幅広く使われていました。
しかし、1920年頃医学的に「肺の健康被害が起こる」と証明されました。
石綿が吸い込まれると肺に刺さるとか…怖っ!!
でんき屋分野での使用例
家電類
2000年以降の家電品にはアスベストは使用されていません。
トースター、オーブンレンジ、電気コンロ、電気ポット、ジューサー、ミキサー、電磁調理器、冷蔵庫、洗濯機、アイロン、掃除機、エアコン、こたつ、電気ストーブ、照明器具、ヘアドライヤー、電気温水器、換気扇、ファンヒーター、ガスコンロ…
これらの製品を使うことで、石綿が飛び散ったり、体に触れたりするとこに石綿は使用されていませんので、過度に心配する必要はありません。
石綿含有家庭用品については、環境省サイトをご確認ください→https://www.env.go.jp/air/asbestos/housewares/
電気工事(エアコンの取付やコンセント類の交換など)
電気工事に使う材料には、基本的に石綿は含まれません。
しかし、家電を取り付ける「壁」などの建築資材に石綿が含まれていることがあります。
2,でんき屋も石綿対策しないといけないの?
はい。
正確には「建築資材(壁や天井など)に穴を開けたり、切ったり削ったりする工事がある」時は石綿対策が必要です。
しないといけない理由は、法改正だけが理由ではなく2024年現在にあっても健康リスクが高いからです。
実際にお客様に言われたんだけど「ずっと昔から石綿危ない言われてて、今更石綿対策なの?」って言われたし、私も思う。
確かに、ちょっと遅い感じが個人的にしないでもないんだけど。
石綿被害の危険は、これからまだまだと言われているんだよ。
石綿を使ったと考えられる建物が日本中にあって、今も住んでるし人達がいる。
石綿が使われた時代の建物はこれから老朽化が進むし、どんどん解体されるから対策しないといけないよね。
健康リスク
石綿は、吸ったその場でどこかが痛くなったり不快感が出るわけではないので、どうしても危機感を感じにくいのが正直なところです。
「体に悪いよ」「病気になるよ」と言われているものは、今の世の中たくさんあります。
そのたくさんの体に悪いもの中でも、法律が変わるほどのものが「石綿(アスベスト)」です。(と、私は認識しています)
石綿が問題視される最大の理由は、命にかかわる病気になる可能性があるから
石綿が問題視される理由
○命を脅かされる。
日本の石綿関連死は毎年2万超え。世界第3位の石綿被害大国(参考記事はこちらから→全国労働安全衛生センターhttps://joshrc.net/archives/7116)
○肺疾患発症率が高い。代表的な疾患:肺がん、中皮腫、石綿肺(アスベスト肺)
○長期間の潜伏
石綿による発症までには、15年~40年の潜伏期間があります。
この潜伏期間という表現は現実とのズレがあり、健康には何の問題も無くある日突然がんになると言う意味ではありません。
長期間かけて緩やかに健康が害されて行くと考えた方がいいでしょう。
○石綿が原因の病気は治りにくい。
肺がん、中皮腫、石綿肺は手術で切除する治療はあるものの、基本的には治りにくい病気です。
私は施設介護に20年以上携わっていた経験があります。
たくさんの高齢者のケアに関わらせて頂いた中、肺疾患の方達のケアは胸が痛くなることも多くありました。
体は動くのに、少し体を動かすだけで息が苦しくなる様子をよく見ました。
つらくない病気はないと思いつつも、肺の病気は防げるものなら防ぎたい病気の一つと感じています。
3,でんき屋は具体的に何をするの?
解体やリフォームの業者と違って規模が小さい為、石綿対策も部分的なものが多いです(例:1部屋など、工事をする空間のみ)
事前調査
工事をする部分に石綿が含まれているかどうか確認をして、結果報告書の作成。
金額や規模により、行政への報告が必要になります。
当店では、建物の着工日がわかる書類を提出いただく形をとっています。
理由は、工事予定の部分のサンプルをとって検査機関に検査を依頼すると結果がわかるまで2週間以上かかりますし、検査料金も¥30,000~¥50,000の費用がかかります。
ですので、時間短縮と費用の負担軽減のため検査機関には出さず着工日を基準に石綿対策をするかしないかを決めます。
※ご希望があれば、石綿検査機関への検査提出による検査を承ります(有料)
着工日のわかる代表的な書類
・建築確認書
・検査済証
・建物登記簿謄本
・建築台帳記載事項証明書
・固定資産税課税台帳
お金かかるの?
はい、石綿事前調査結果報告書の作成手数料を頂いています。
費用は、¥3,300です。
石綿対策対象は、2006年(平成18年)9月以降に着工された建物は対象となりません。(対策不要)
石綿対策対象は、2006年(平成18年)8月以前に着工された建物が対象です。(対策必要)
建物が2006年(平成18年)9月以降に完成していても、
着工日が2006年(平成18年)8月以前であれば対策は必要になります。
どうして?
2006年(平成18年)9月以降は法律で、石綿入りの建材を使ってはいけない法律があるんです。
2006年(平成18年)8月までに石綿入りの建材を使っても法律違反にならないので、
2006年(平成18年)8月までに建築を開始した建物には石綿が入っている可能性があるんです。
そういう理由があって、行政もそこで線引きをしたんです。
石綿対策
対策の目的
・石綿を吸わない。吸わせない。
お客様も工事作業者も、全ての人が対象です。
・石綿を広げない。
建物の中ではもちろん、建物の外やご近所にも広げないことが重要です。
当日の流れ
- 石綿対策の環境を作ります。
- ・工事予定の部屋や空間の窓やドアの隙間を養生テープで塞ぎます。
・工事作業者は、石綿用のマスクと防護服を着用します。
- 工事を行います。
- ・HEPAフィルター付き真空掃除機など機材を用いて、粉塵などが広がらないようにします。
- 終了。
- ・HEPAフィルター付き真空掃除機を使用し、細かいゴミも残らないようにします。
・作業員の使用したマスクや防護服は使い捨てです。
・工事で出たゴミは全て回収し、袋を2重にして持ち帰ります。
※法律により、工事中はお客様の立ち入りは禁止となります。
4,実際にお客様の負担になることと準備
費用負担
・事前調査費 ¥3,300
・石綿対策費 ¥10,000~(規模による)
工事中の立ち入り禁止
「労働安全衛生法(石綿障害予防規則)」「大気汚染防止法」により、工事中の関係者以外の立ち入りが禁止されています。
どうしても立ち会いたいと希望される場合は
・石綿用マスク
・石綿用防護服
2点をご購入頂き作業員と同じ格好になってから立ち会いいただきます。
まとめ
重要
当店には、「石綿作業主任者」「石綿含有建材調査者」の有資格者がいます!
外部からの調査ではなく、実際に工事を行う作業者が事前調査から工事完了まで一貫して対応いたします。
安心してご利用ください。
でんき屋の石綿対策は、リフォームや解体に比べると規模が小さく数も多くありません。
工事件数が少ない最大の理由は、長くお付き合いのあるお客様はすでに工事(切ったり削ったり之工事)が済んでいるところが多く、電化製品の交換工事だけで完了するからです。
石綿対策は始まって「間もないこと」「件数が少ないこと」があり、至らない点もあるかもしれませんが
「石綿を誰も吸わない。吸わせない」「石綿を拡散させない」ことは、しっかりと厳重に対応いたします。
ご理解とご協力をお願いいたします。
当店の石綿対策は
愛知労働局 健康課にて
直接確認を行い準備を行いました。
安心してご利用ください。
※今後、お客様に許可を得られれば、実際に対策したときの様子をupしていきます。